パソナライフケア 研修コラムvol.3

「家事代行で守るべき大切なルール」

執筆者:日本清掃収納協会会長 大津たまみ
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『笑顔の数だけ幸せがある』

 パソナライフケアでは家事代行サービスを通じて、一人でも多くの方に笑顔をお届けすることを大切にしています。

 皆さんは、最前線でサービスをお客様に提供するという役割を担っています。

パソナライフケアが大切にしていることを理解し実践することが、よりよいサービスに繋がります。

 今回は、良いサービスを実現するために守るべきルールについてお伝えします。

お客様のお宅に入る仕事をするうえで何より重要なこと、それは「秘密保持」です。

「秘密保持」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、家事代行をする上で絶対守らなくてはならないことです。

気を付けていれば、決して難しくないことですので理解を深めておきましょう!

まず「仕事を受ける上で知った情報を漏らしたり、内容を明らかにしてはいけません」ということ。「お客様の情報を守る」ことを徹底するということです。お仕事で得た情報は、家族や友達であっても話してはいけません。「〇〇社にお勤め」「お子様が〇〇校に通学」「お宅がとても散らかっていた」といった内容でも、お客様の個人情報にあたります。

そして、どのような場所でも情報を漏らさないように気を配る必要があります。

喫茶店やエレベーター内での会話、そして携帯電話での通話、いつどこにお客様の関係者がいるかわかりません。

お客様の情報は「どこでも誰にでも話してはダメ」と心がけましょう。

2つ目は、「知り得た情報を不正に使用したり、利用してはいけない」ということ。

家事代行の現場に入ると、お客様のさまざまな個人的な情報、そして経営者のお客様でいらっしゃるなら、会社の機密事項などを目にする機会もありますが、それを不正に使用してはいけません。

例えば、自分のSNSでお客様のご自宅で得た情報を発信したり、ご自身が加入する保険の担当者にお客様の情報を伝えたりするのも不正利用にあたります。

3つ目は、「仕事をする上で必要ではない情報を習得してはいけない」ということ。

私たちは、お客様からお仕事に必要な情報をいただいて業務にあたりますが、その際に、必要ではない情報をお客様から聞き出さないようにしましょう。

例えば、ご家族のプライベートなお話(健康・職場・学歴)や、家に置いてあるもの(調度品・表彰状)について、仕事に必要ではないことは質問しないようにしましょう。

4つ目は、「知り得た情報の管理が不十分で、その結果情報が漏れてしまうことがないように、管理はしっかりする」ことです。

お客様の住所をメモしてポケットの中に入れていたら、ポケットからメモが落ちてしまい、お客様のお宅に不審なダイレクトメールが届くようになった・・・そのようなことが起こったら、意図しないミスでも秘密保持義務違反にあたります。

お客様の家で書いた作業内容などのメモ書きを、どこかに置き忘れてきてしまうのもNGです。他にも、書類や鍵の紛失など絶対しないように注意していきましょうね。

5つ目は、「退職後も知り得た情報を持ち出したり、漏らしたりすることは禁止」です。

お客様の情報は、この会社で働いているからこそ知った情報です。仕事を辞めてからも、仕事上の資料を外部に持ち出ししたり、口外したりすることは禁止です。

「有名な〇〇さんの家で仕事をしたことがある」「〇〇マンションではこんなトラブルがあって・・・」といった内容でも、漏らしてはならない情報にあたります。

故意に情報を不正利用しようと思わなくても「思わず話してしまった」ことが、

情報漏洩に繋がる可能性があると覚えておきましょう。

私たちの仕事は、お客様のプライベートに接することが多い仕事です。

そのことを自覚し、「つい気が緩んで」といったことがないように十分注意しなくてはなりません。

家事代行は「家事さえできれば誰にでもできる仕事」ではありません。

プロフェッショナルとして大切なルールを深く理解して仕事をしましょう。

次は現場で禁止されていることについて、今一度確認していきましょう。

お客様のお宅は、お客様にとってはプライベートな空間ですが、皆さんにとっては「職場」です。

家事代行というお仕事ゆえの禁止事項もありますので、しっかり押さえておきたい点を重点的にお伝えしますね。

禁止事項❶ お客さまとの金銭物品の貸し借りや個人的なお付き合い

定期で通うお宅では、何度も通う間にお客様とコミュニケーションが深まり、親しみを感じてくださることがあります。

ここで意識しておきたいのは、親しくなったようでも、あくまでも「仕事」の関係であるということ。お客様と親しくなったと思ってお金を貸し借りするようになったり、プライベートで会ったりするのは避けなくてはなりません。お客様との過度なコミュニケーションや関わりを持つことは、仕事に大きな影響を与えてしまいます。親しくなりすぎて過度な要求をされる、そのようなことがあったら困るのはあなた自身です。

自分自身を守るためにも、常に「お客様と家事代行のスタッフの関係」であることを意識して、お客様と接しましょう。

禁止事項❷ お客様のお宅での喫煙飲食

お客様のお宅で飲食や喫煙は禁止です。

ただし、水分補給は問題ありません。水分を我慢して熱中症になってしまったら、業務遂行ができなくなってしまいます。作業中に適度に水分補給をして、業務に支障が出ないようにしましょう。

気をつけなければならないのは、お客様の目の前で水分補給しないこと。感染症対策やマナーの面から、お客様と対面しない場所で水分を取りましょう。

禁止事項❸ 第三者を伴っての勤務

「仕事のあとに友人と約束している」「子どもが学校をお休みしている」そういったことで、友人や子どもという第三者を伴ってお宅を訪問したり、お客様のマンションの共有スペースや最寄り駅で待ち合わせしたりしてはいけません。

これらはお客様の個人情報を漏らすことに繋がりますので、絶対してはならないことと認識しておきましょうね。

禁止事項❹直接のお仕事の依頼や受託

会社を通さずにお仕事を直接依頼すると、連絡の手間が省けたり料金が抑えられたりすると思われるお客様がいらっしゃるかもしれませんが、契約は、お客様と会社の契約です。お仕事を直接受けないようにしましょう。

もし、お客様から「会社を通さずに仕事にきてほしい」と依頼された場合は、「会社で禁止事項になっていますので、お受けできかねます」と回答しましょう。ただし、お客様のご気分を害さないような言い方を心がけてくださいね。

会社のスタッフや家事代行仲間がいることは、何かあったときに大きな助けとなってくれます。

長く楽しくこのお仕事を続けていくためには、お客様から直接の依頼を受けることがあっても、会社を通すことの大切さを認識して対応しましょう。

禁止事項❺宗教的または政治的な勧誘、特定商品の勧め

「とてもいい考え方があるんですよ」と言って宗教の勧誘をしたり、お客様の体調のためにと思って「すごくいいサプリがあります」とお勧めしてご購入を促したりしてはなりません。

その場では、お客様が「それはいいわね」と言われたとしても、それは社交辞令であって、のちに会社にクレームが来る可能性が大いにあります。そして、そのことによって仕事を失いかねません。

個人的な考えの押し付けや、自身が会員になっている組織の勧誘をお客様にすることは絶対避けましょう。

お客様ご不在時の注意

お客様が不在のお宅で作業するときも、在宅されているときと変わらない作業や振る舞いを心がけましょう。

お客様の目がないからと、イヤホンで音楽を聞きながら作業したり、お客様のお宅でスマホの充電をしたりしてはなりません。お仕事で訪問しているのだということを忘れず、そのような行為はやめましょう。

家はお客様のお城です。

その中に入ることを許されている

『特別な他人』

それが私たち家事代行のスタッフなのです

次回のコラムでは「身体も心も万全に!心がけたい大切なこと」をお伝えしていきます♪