クロスとは壁や天井等に張る内装材のことです。
ビニールクロスは、壁紙に使われる一般的な素材です。水に強いので、洗剤を使用した掃除が可能です。洗剤の成分が残ると黄ばみの原因になるので、洗剤を用いたあとは、水拭き乾拭きも行うことを忘れないでくださいね。
最近のおしゃれなクロスには布がよく使われています。布クロスは水分を吸収するので、水拭きや洗剤での掃除は避けて、軽くホコリを取るだけにしてください。汚れが付いている場合は、消しゴムで軽く擦ると落とせますよ。
この布クロスは、ビニールクロスとよく似た素材でできています。万が一、布クロスを水拭きしたり、洗剤をスプレーしたりしてしまうと、ポコッと膨らんだような状態になってしまうので気をつけてください。
アレルギーを気にされるご家庭では、漆喰(しっくい)壁を用いられることが多いようです。
水分を吸収する素材なので、水拭きや洗剤スプレーは避けて、軽くホコリを取るだけにしましょう。この漆喰壁は、汚れが付くと落ちません。汚れを落とそうとメラミンスポンジでこすってしまうとシミになってしまいます。無理して汚れを落とさないようにしてくださいね。
砂壁は、キラキラした素材が混じっていて、軽く触るとボロボロと剥がれ落ちてしまいます。ハンディモップで優しく埃を取るだけにしましょう。
紙でできた“ふすま”は洗剤拭きすると破れてしまいますが、取手は手垢で汚れやすい場所です。取手部分のみ拭き掃除しましょう。
昔ながらの日本家屋では、ふすまの上に欄間があしらわれていることあります。木を彫った繊細な細工が施されていますので、ハンディモップで、そっとホコリを落とすだけにしましょう。
フローリングの種類は大きく分けて2つあると覚えてください。
無垢材は、混じりけのない木そのもの。合板に含まれるホルムアルデヒドはアレルギーの原因にもなることから、アレルギーに気を使われるお宅でも好まれる素材です。
この無垢材は洗剤に弱く、シュッシュッと吹き付けてしまうとシミになってしまいます。水にも弱いため、ドライシートで拭く清掃が適しています。
木は切ってからも呼吸し育ちます。そのためフローリングも年が経つとギュッと反ってしまうことがあります。無垢材は年月が経過すると風合いが出てくる半面、ささくれができてしまうことも。なお、合板の場合は経年で反ることはありません。
無垢材が増えているとはいえ、この合板フローリングのお宅が多いのではないでしょうか。合板は、フローリング表面を木のシートで覆い、その上にワックスがかけられていることがほとんど。このワックスが曲者で、アルカリ洗剤を使うと剥がれてしまいます。
ワックスを剝がさないため、汚れている場合は中性洗剤を用いましょう。
畳は主に“い草”でできています。こちらもお掃除の時に洗剤は使いません。普段は目に沿って掃除機をかけ、乾いたタオルで拭いてください。
汚れが多い場合は、硬く絞った水拭きタオルで拭き、乾いたタオルで拭きあげて水分を残さないようにしましょう。「重曹を使うとよい」という話もありますが、ブツブツとした黒いシミがついてしまいます。
お手入れしやすい素材でできた畳風のものも増えていますが、こちらも畳同様、洗剤を使わず掃除をしましょう。
大理石は主に石灰石からできていて、水や、アルカリ性・酸性物質に非常に弱い素材です。大理石を床材にしているお宅もありますので、掃除法を把握しておきましょう。
まず、石とはいえ、水に弱い素材だと理解しておくことが大切です。水拭きをした場合はすぐに乾き拭きし、濡らしたタオルをそのまま置いておかないよう注意しましょう。もし大理石に汚れが付いていた場合、洗剤を吹きかけて、その間に他の場所を掃除して戻ってくる・・・などは絶対NGです。洗剤を塗布して放置しないようにしましょう。
生ごみやフルーツから出る水分程度でも変色してしまうので、出す予定のゴミ袋をぽんと大理石の上に置くのも避けましょう。
キッチンの素材は、大きく分けてステンレスと人工大理石の二種類があります。
ステンレスは昔ながらのもので、耐熱性・耐久性・対摩耗性に優れています。
熱湯を掛けても大丈夫で、傷と汚れに強いものですが、ステンレスの表面加工で『ヘアライン』という細かい溝がついている場合があります。指で触って細かい溝があったらヘアライン加工されていますので、その場合は、横一直線に手を動かして掃除しましょう。くるくると丸く円を描きながら磨くとヘアラインの見栄えが悪くなってしまうので、注意が必要です。掃除するときは、傷をつけないように柔らかい素材のクロスを使いましょう。
今回は、掃除に注意が必要な素材を中心にご紹介しました。
素材を見極めた掃除の大切さを理解して、
必要な知識を身に付けて現場に臨みましょう。