今回は、「アイロンがけの仕方」についてお話しします。
アイロンは大きく分けて三種類あります。それぞれの特徴を押さえて使い分けましょう。
本体タンクに入れた水を熱し、かけ面からスチームを発生させるタイプ。
衣類をプレスしながらスチームの力でシワを伸ばす。
熱と本体の重みでシワを伸ばす昔ながらのアイロン。
パリッと仕上がり、プリーツやパンツの折り目をキレイに出すことができる。
高温のスチーム(蒸気)を噴射して衣類のシワを伸ばす。
ハンガーにかけたまま衣類のシワ伸ばしができるため、アイロン台不要で短時間で衣類ケアができる。
アイロンがけをする前に必ずタグの洗濯表示を確認しましょう。
洗濯表示のアイロンの設定温度は、以前は「低・中・高」と表示されていましたが、
新しい洗濯表示では、アイロンマークの中の点で上限温度が表示されるようになりました。
点が1つは「低温(〜110℃)」、点が2つは「中温(〜150℃)」、点が3つは「高温(〜200℃)」を表します。
アイロンマークにバツ印がついているものは、アイロンできませんので注意しましょう。
洗濯表示を確認したら、衣類をアイロンの温度別に並べます。
熱くなったアイロンはなかなか冷めないので、「低温→中温→高温」の順でアイロンがけをしていきましょう。
アイロンは目的に合わせた動作で行います。
*すべらす・・・シワ伸ばし
*押さえる・・・折り目付け
*浮かす・・・風合いを戻す
アイロンをかける前に、布の織り目を引っ張って伸びる方向を確認してください。
伸びる方向に沿ってアイロンをかけると、布が伸びてゆがんだ形に仕上がるので、必ず伸びない方向に沿ってアイロンをかけましょう。
「あて布」は、衣類のテカリや傷みを防止するために使います。
低〜中温でかける洋服はデリケート素材が多いので、念のため、あて布をしましょう。
お客様のお宅にアイロン用のあて布がない場合は、ハンカチなどの薄い布で代用可能です。
それぞれの特徴を押さえて目的や素材に合わせて使い分けましょう。
ドライアイロンやドライモード
衣類についたシワに熱を加えることで伸ばします。
合成繊維やシルクはドライモードが適しています。
霧吹きやスプレー式のりづけを使うときもドライモードにしましょう。
スチームアイロンやスチームモード
蒸気のチカラで形を整え、ふんわり仕上げます。
ウール・ニット生地のシワを取ったり、パンツなどにしっかり折り目をつけるときに適しています。スチーム機能は、中温または高温でかけられる素材だけに使用しましょう。
1.角にアイロンをかける
2.全体にアイロンをかける
3.折り目をつける
ワイシャツはパーツごとにアイロンをかけていきます。
かける順番は、生地が厚くて狭いパーツ→大きいパーツの順です。
この順でかけると、先にアイロンをかけた場所にシワを作らず綺麗に仕上がります。
シャツに折り目をつけるかどうかなど、仕上がりのご希望をお客様に確認しておきましょう。ここではシャツに折り目をつける場合のかけ方を紹介します。
襟先から中央に向かってアイロンをかけたら、アイロンを持つ手を持ち替え、残った半分をかける。
注意!
襟にカラーステイ(カラーキーパー)が入っていたら、必ず抜いてからアイロンをかけ、アイロン後に忘れず入れ直しておきましょう。
シャツに折り目をつけるかどうかなど、仕上がりのご希望をお客様に確認しておきましょう。ここではシャツに折り目をつける場合のかけ方を紹介します。
アイロン台の尖った部分に肩を引っ掛ける。
アイロン全体を使ってかけていき、細かい箇所はアイロン先を使用してかける。ワイシャツを回して反対側もかける。
ボタンを外してアイロン台の上に置く。
裏側から縫い目を引っ張りながら中心に向かってかける。
表側も同じようにかけ、折り目部分をプレスする。
ボタンがついている側を表にして、袖下の縫い目の部分を引っぱりながら手全体でシワを伸ばして整える。
縫い目に沿って袖口から肩に向かってかける。
ボタン部分はアイロンの先でシワを伸ばす。
袖と前身ごろの縫い目は、縫い目に沿ってかける。
次の順番でかける。
①右前身ごろ
②後ろ身ごろ
③左前身ごろ
広い面積の部分は、アイロンを裾から襟に向かって大きくゆっくり動かし、ボタン周りは、アイロン先を使って細かくかける。
広い面は、生地全体を手で整えながらアイロンをあてると綺麗に仕上がります。
次の順番でかける。
①右前身ごろ
②後ろ身ごろ
③左前身ごろ
広い面積の部分は、アイロンを裾から襟に向かって大きくゆっくり動かし、ボタン周りは、アイロン先を使って細かくかける。
広い面は、生地全体を手で整えながらアイロンをあてると綺麗に仕上がります。
①パンツを裏返し、アイロン台に履かせるようにして挿し、ウエストから腰まわりにかけてのシワを伸ばす。
②パンツを表に返し、あて布をして脚の部分のシワを伸ばす。
③最後に折り目をつけるためのプレスをする。あて布をし、体重をかけてしっかりプレスしていく。
フワフワとした素材の衣類は、スチームを浮かせてアイロンをかける
例:毛足の長いニット、柔らかい装飾品がついた服
スプレー式ののりを使用すると、パリッとした仕上りになります。
お客様から依頼された場合は、次の作業手順と注意点に従って作業しましょう。
① 衣類をいつも通り洗濯し、乾燥させる。
② 乾いた衣類をハンガーにかける。
③ 衣類をハンガーにかけてスプレーするとスプレーのりが床や畳に付着してベタつくので、床に養生シートを敷いて保護する。
④ 20センチ離れたところから、衣類全体にまんべんなく(または襟元など必要な部分だけ)スプレーする。
⑤ 低温のドライモードでアイロンをかける。
・アイロンをかけながらスプレーしないでください。アイロンの底面にのりがこびりついて滑りが悪くなってしまいます。
・固めに仕上げたい箇所は、一度に多くスプレーせず、スプレーとアイロンを繰り返しましょう。
・スプレーする距離が近いと、一部分だけのりの濃度が高くなって焦げることがあるので注意しましょう。