今回は、「ご要望や状況にあわせた作業の組み立てと時間配分」についてお話しします。
家事代行では、お客様からのご要望に沿った作業をする必要があります。
その上、日々変わるお客様の状況を把握して、現場にあった作業を組み立てて時間内に終えなければなりません。
家事代行を始めたばかりの方は、時間配分が難しいと感じることが多いと思います。
ベテランの方であっても、初めてのお宅などの場合には時間配分に悩む事があるかもしれません。
どのように作業内容を組み立てて時間配分していけばよいのかを、詳しくご説明していきますね。
現場に入ったら、最初にお客様のご要望や状況にあわせて作業を組み立てて、各作業の時間配分を考えます。作業内容をリスト化して時間配分をメモ書きし、都度確認しながら作業を進めましょう。
リスト化すると作業の全体像が可視化されるので、
■どの作業から始めるべきか
■どの作業を同時に行えるか
が、わかりやすくなります。
忘れてはならないのは、お家の中での主人公はお客様自身だということ。
掃除のご依頼であれば、自分が気になる箇所ではなく、お客様が気になる箇所をキレイにする必要があります。ご要望箇所をリストに組み込んで作業時間を確保しましょう。
また、毎回同じご依頼内容の定期のお客様でも、いつも同じ時間配分でよい訳ではありません。例えば、お客様の家にお泊りの方がいた場合、通常より和室やゲストルームが汚れていて掃除に時間がかかってしまいます。また、ご旅行やご出張帰りで洗濯物がいつもより多い場合、作業を開始してすぐに洗濯を始めないと時間内に仕上がらないこともあります。
このように状況によって時間配分を変える必要がありますので、定期のお客様でもまずは状況を把握してから時間配分を決めましょう。
どのように作業内容をリスト化して時間配分すればよいか、作業時間2時間で掃除を依頼された場合のリスト例をみてみましょう。
作業内容 | 所要時間 |
---|---|
ホコリを取りながら部屋の汚れをチェック | 約5分 |
お風呂掃除 | 20~40分 |
洗面所掃除 | 10~15分 |
トイレ掃除 | 10~15分 |
キッチン掃除 | 20~40分 |
床掃除 | 10~20分 |
ごみ処分と最終チェック | 約5分 |
■このリストの各作業の時間配分はあくまで目安です。ご依頼内容や家の状況にあわせて設定しましょう。
■作業を開始したら、まずはリストにあるようにホコリを取りながら部屋の汚れをチェックしましょう。最初にホコリを取っておくと、舞ったホコリが時間とともに降りてくるので、床掃除のときに綺麗にできますよ。
■リストの時間配分通りに進んでいるか確認するため、こまめに時間をチェックしながら作業しましょう。
■ゴミ処分と最終チェックする時間も作業時間の中に組み込んでおくと、焦らず作業できます。
上のリストはあくまで参考例です。
作業内容と時間配分はお客様の要望や状況にあわせる必要がありますので、具体的に次のようなご依頼があった場合を考えてみましょう。
◆お客様:共働きご夫婦(40代)、3LDKのマンションにお住まい
◆依頼頻度:週1回
◆作業時間:2時間
◆依頼内容:掃除
◆ご要望
1.料理好きなので、キッチンの汚れを念入りに掃除してほしい
2.掃除機をかけてホコリをできるだけ取り除いてほしい
3.床の目立つ汚れは手拭きで取り除いてほしい
このようなご依頼の場合、皆さんはどのように作業を組み立てて時間配分するでしょうか?
作業内容をリスト化して時間配分を書き込んでみましょう。
作業内容 | 所要時間 |
---|---|
分 | |
分 | |
分 | |
分 | |
分 | |
分 | |
分 |
このお客様のご依頼内容を踏まえて書き込めたでしょうか?次のポイントを押さえて記入できたか見直してみましょう。
◆各作業の合計時間が2時間に収まるようになっていますか?
◆『念入りに掃除して欲しい』と要望されたキッチンは、多めに時間を確保していますか?
◆ご要望箇所は、確実に作業するためリストに入れておく必要があります。このお客様の場合『床の目立つ汚れを手拭きで取り除く』必要があるので、「床手拭き」を作業内容に入れていますか?
最初は時間配分に悩んだり、スケジュール通りに進まなかったりすることも多いでしょうが、経験するごとに慣れていきます。家事代行現場に入ったときは、作業内容のリスト化と時間配分を行うことを習慣にしましょう。