パソナライフケア 研修コラムvol.24

「個人情報の取り扱い方」

執筆者:日本清掃収納協会会長 大津たまみ
過去のコラムは下記ボタンよりご確認いただけます👇

今回は、「個人情報の取り扱い方」についてお話しします。

個人情報の取り扱いは極めて重要で、家事代行の現場では特に細心の注意が必要です。お客様のご自宅には多くの個人情報が存在することを常に認識し、その情報を決して外部に漏らさないように行動しなければなりません。

個人情報とは

名前、住所、電話番号、メールアドレスなど、特定の個人を識別できる情報を指します。

お客様の個人情報は、『お客様の正体を特定できる情報』として考えてください。この個人情報を事前の同意なしに第三者に提供することは法律で禁止されています。

個人情報を守るために、家事代行スタッフとして以下の3つの原則を厳守しましょう。

* お客様のことは外部で決して話さない。

* お客様の情報は絶対に漏らさない。

* お客様のプライベートな空間には決して入らない。

お客様と会社(パソナライフケア)は、秘密保持契約を結び、個人情報の取り扱いについてルールを定めています。

秘密保持契約については過去のコラムで詳しく触れていますので、目を通しておいてください。

パソナライフケア 研修コラムvol.3 「家事代行で守るべき大切なルール」

今回は、家事代行の現場で起こりえる事例をもとに対応の仕方や注意点について学んでいきましょう。

〔事例1: 友人や知人への情報漏洩〕

家事代行スタッフが、著名な方のお宅での作業を終えた後、友人に「今日は有名人の家で作業したよ」と話し、お住まいの場所をうっかり口外した。その友人が別の友人にその情報を話してしまい、お客様の住所が噂となり、拡散してしまった。この結果、お客様のプライバシーが侵害される事態となった。

身近な家族や友人などは、気を抜きがちな相手かもしれませんが、話したことが広まってしまう可能性があることを常に認識してください。お客様の情報は、たとえ家族であっても絶対に口外してはいけません。

〔事例2 不要な場所の探索〕

家事代行スタッフが、段ボールを束ねるための紐を探していて、お客様の引き出しを不要に開けて中身を覗いた。

そのことにお客様が気づき、「私物を勝手に触られた」とクレームが発生した。

お客様の家には多くの個人情報が存在しています。許可の得られていない場所やスペースには不用意に触れないように心掛けましょう。

〔事例3 SNSでの情報共有〕

家事代行スタッフが、作業中にお客様のお宅の特徴的な家具の写真を撮影し、SNSに投稿した。お客様が偶然に投稿を発見し、「自宅のプライベートな情報が公開された」とクレームが発生した。

お客様のお宅で、スマートフォンなどのカメラを使って撮影することは禁止です。

物の配置を記録するために撮影することも禁止です。

意図していなくても家事代行スタッフが個人情報拡散に繋がるような行動をとると、お客様は敏感に反応されます。撮影は物損時や緊急時に限定するようにしましょう。

〔事例4 大切な情報を処分〕

家事代行スタッフが作業中に床に落ちている紙を拾い、ゴミだと思って廃棄した。

しかし、ゴミだと思った紙は大切な情報が書かれたメモ用紙で、「勝手に捨てられた」とお怒りになり、信頼が失われ、担当者が変更になった。

ゴミのように見える書類やレシートでもお客様の大切な物かもしれません。

たとえば、レシートは経費として重要な情報を含むことがあります。判断が難しい場合は必ずお客様に確認し、承諾を得てから処分しましょう。

〔事例5 段ボールについている宛名シールをはがさずに段ボールを処分した〕

お客様に段ボールの処分を依頼されたが、宛名シールをはがさずに処分をしてしまった。それに気づいたお客様が「自分の名前や住所が書いてあるのにそのまま捨てるとは、個人情報の漏洩ではないか」とお怒りになった。

段ボールを処分する際には、必ず宛名シールをはがしましょう。また、宛名シールの処分の仕方については、お客様に確認をするようにしましょう。

〔事例6 地図アプリにお客様の家を登録した〕

家事代行スタッフが、お客様のご自宅を覚えるために地図アプリでピンを立てた。

ピンを立てた情報が公開設定になっていたため、お客様のご自宅が世界中から確認できる状態になり、「自宅情報を公開された」というクレームが発生した。

アプリやオンライン上でどのような行動がどのような影響を及ぼすかを理解しましょう。情報を管理するために便利であっても、安易にネットやアプリでお客様の情報を扱わないようにしましょう。

個人情報漏洩の際の責任について

個人情報の法的規定に基づき、民法や刑法上の責任を負う可能性があります。仕事の契約が終了した場合でも、就業時に得た顧客に関連する情報は、どんな第三者にも開示、漏洩、使用してはいけません。

家事代行スタッフとして得たお客様の情報は、それを一生守るべき秘密として意識し、作業に取り組んでいきましょう!

こちらのコラムですが、少しの間お休みをいただき、その後「応用編」としてカムバック予定です♪

応用編もお楽しみに・・・!!