今回は、「押さえておきたい貴重品の取り扱い方」についてお話しします。
「貴重品」というと、お金や高価な宝石、時計などが思い浮かぶかもしれませんが、実際にはその定義はお客様ごとに異なります。お客様にとって大切なものは、すべてが「貴重品」と言えるでしょう。そのため、作業を行う際には特別な注意が必要です。
お客様が大切にされる貴重品の具体例をいくつか見てみましょう。
【金銭関連】
・現金、通帳、印鑑、クレジットカード、デビットカード
【宝石・アクセサリー類】
・高価なジュエリー(指輪、ネックレス、イヤリング)
・時計(高価なブランドやアンティーク)
【電子機器】
・スマートフォン、タブレット、ノートパソコン
・カメラ、ビデオカメラ
・高価なオーディオ機器やヘッドフォン
【重要な書類】
・個人を証明する証明書(住民票、戸籍謄本、マイナンバーなど)
・資格や免許の証明書
・契約書や保険証書
【コレクション】
・アンティークの絵画や置物
・趣味のコレクション(壺、切手、コイン、フィギュア、など)
【その他】
・特別な意味を持つ手紙や日記
・家族の思い出の品や遺品
これらの貴重品を取り扱う際、以下の基本ルールを守るよう心がけましょう。
必要がない限り貴重品は触れないようにします。
移動させたことで「どこに行ったのか分からない」となるトラブルを防ぐため、お客様から指示がない限り、自己判断で貴重品を移動したり、仕舞ったりしないようにします。取扱いに迷った場合はすぐにお客様や会社に確認しましょう
原則として、貴重品の移動はお客様自身で行っていただきます。
※破損の恐れだけでなく、日々の情報(個人情報)に触れる機会を無くすためです。
やむなく貴重品を移動させる際は、両手でしっかりと持ち、ゆっくりと動かします。音を立てないよう、静かに置くよう心がけましょう。
移動させたことで「どこに行ったのか分からない」となるトラブルを防ぐため、お客様から指示がない限り、自己判断で貴重品を移動したり、仕舞ったりしないようにします。取扱いに迷った場合はすぐにお客様や会社に確認しましょう。
【1】中性洗剤を含ませた柔らかいスポンジや布を使用して、ぬるま湯で優しく洗います。研磨材入りのスポンジや硬いブラシは使用しないでください。
【2】清潔な水で洗剤が残らないように十分にすすぎます。手が滑って落とさないように細心の注意を払いましょう。
【3】柔らかい布やキッチンペーパーで水滴を取り除きましょう。その後、専用のガラスクロスやマイクロファイバークロスがあれば使用して磨き上げていきます。
【1】絵画の清掃を依頼された際は、最初に絵画の表面がガラスやプラスチックの透明な素材で覆われているかを確認しましょう。もし絵画の表面に透明なカバーがある場合は、ハンディモップを使用して軽くなでるようにホコリを取り除きます。
表面を確認せずにいきなり濡れたクロスで拭いてしまうと、絵画に直接クロスが触れて、絵画を傷めてしまいます。また、ハンディモップを絵に直接あてると、画材によって表面の凹凸にハンディモップが引っかかって繊維がついてしまいます。
表面にカバーがない場合は絵の部分を清掃しないようにしましょう。
【2】額縁に溜まったホコリを軽くハンディモップでなでるようにして落としましょう。
ハンディモップを使用する際には、強い力でかけないようにし、絵画が壁にかかっている場合は落とさないように、また立てかけている場合は倒さないように気をつけましょう。モップを持っていない片手を額に添えて支えながら、慎重に作業しましょう。
壺は高価で繊細なアイテムであるため、原則的には触れないようにしましょう。ただし、お客様から特別な要望があって掃除や移動が必要な場合は、以下の注意点に留意しましょう。
●壺についた取っ手や飾り部品は、後から壺本体に取り付けられたものである場合があります。接着や焼きが不十分な場合、これらの部品は軽い力で取れてしまうことがあるので、部品に触れたり清掃したりすることは避けましょう。壺を移動させる場合には、取っ手を持たずに壺本体を両手でしっかり挟み込んで移動しましょう。
●壺の表面に施された絵にざらつきがある場合、ハンディモップを使用すると繊維が絵に引っかかってしまいます。乾いたマイクロファイバークロスを使用し、軽くなでるだけでホコリを取り除くように心がけましょう。