パソナライフケア 研修コラムvol.23

「調理器具のお掃除法」

執筆者:日本清掃収納協会会長 大津たまみ
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今回は、「調理器具のお掃除法」についてお話しします。

お料理代行サービスは、調理場所や調理器具を綺麗に保つことも大切なサービスの一環です。

お客様からお借りした道具を丁寧に取り扱い、ケガを予防するために気を付けるポイントをお伝えいたします。

取扱いに注意が必要な包丁と清潔に保ちたいまな板は、特に丁寧に洗いましょう。

野菜、肉、魚の食材ごとに使い分けられない場合は、食材を変える度に洗ってください。

包丁の洗い方

ケガをしないように注意深く扱いましょう。

①水で予洗い

水で流して大きな汚れを取り除きます。

②洗剤を使用

食器用洗剤をスポンジに含ませて泡立たせ、まずは柄から洗いましょう。特に柄と刃の接合部分は菌が繁殖しやすい部分なので念入りに洗ってください。次に、包丁の背面から刃先に向かって洗います。

③水で洗い流す

洗剤が残らないように、しっかりと水ですすぎます。

④乾燥

タオルやキッチンペーパーで水分を拭き取ります。刃は湿気が残ると錆びる可能性があり、柄は水分が残りやすいので、どちらもしっかり乾燥させましょう。

⑤保管

乾燥させたら、お客様の指定の場所に戻します。

注意!

食洗機は高温で洗浄するため、刃の部分に錆を発生させたり、柄が木やシリコン素材の場合は変形や割れにつながる可能性があります。

食洗器対応包丁もありますが、食洗器に入れた包丁でお客様がケガしないように、家事代行では基本的には手洗いしましょう。

まな板の洗い方

残った食材の汚れが固まらないように使用後すぐに洗いましょう。

①水で予洗い

水で食材の残りや汁をしっかりと洗い流します。汚れが残っている状態でお湯をかけると、肉・魚に含まれるたんぱく質が固まってしまうので、お湯は使わないでください。

②洗剤を使用

スポンジやブラシに少量の洗剤をつけてまな板全体を丁寧に洗います。裏側と側面も忘れず洗いましょう。食材の汁や繊維が挟まりやすい細かい傷やフチは、ブラシを使用するとよいでしょう。

木のまな板は、洗剤は使わずにタワシで洗い、油分や汚れを落とせない場合のみ少量の洗剤を使用してすぐに流してください。

③しっかりとすすぎ

洗剤が残らないように、しっかりと水で洗い流します。

④消毒

生の肉や魚を切った場合は、念入りに洗った後、お客様の指示があれば漂白剤、またはアルコールで消毒しましょう。

※注意!

漂白剤とアルコールは混ざると危険なので、同時に使用しないでください。

⑤乾燥

洗った後は、まな板を立てかけて自然に乾燥させるか、キッチンタオルや布でしっかりと拭き取ります。

⑥保管

乾燥したら、通気の良い場所に保管してください。湿ったままの保管は避けましょう。

注意!

・木製のまな板には漂白剤を使用しないでください。漂白剤が染み込む恐れがあります。

・ポリエチレンのまな板の耐熱温度は90℃なので、食洗機には入れないでください。

ディスポーザーの洗い方

ディスポーザー(ゴミ処理機)は、食品の残りカスを微細に粉砕して排水する装置です。お客様から清掃を希望された場合は、刃部でのケガに注意を払いながら、無理のない範囲で作業しましょう。

①ディスポーザーの中の確認 

ディスポーザー内部に食品残りがある場合は流し、詰まった物があれば柄の長い道具を使用して取り除きます。

②電源を切る

作業前に、安全を確保するため必ずディスポーザーの電源を切ってください。電源の位置はお客様に確認しておきましょう。

③蓋を外して、内部を中性洗剤でブラシを使い洗浄

その際、奥まで手は入れず、手が刃に触れないように気を付けましょう。最後に蓋も洗って元の位置に戻しましょう。

注意!

・ディスポーザーは、一般的に熱に弱い塩化ビニール樹脂素材が使用されているため、60℃以上の熱湯を流すと変質や破損に繋がる可能性があります。お湯を流す際は60℃以下にしましょう。

・ディスポーザーは、処理槽で生ごみをバクテリアで分解するタイプの物が多く、その場合塩素系漂白剤は使用できません。すべてのディスポーザーが同じ構造や特性を持っているわけではないので、作業前にお客様の指示を仰ぎ、取扱説明書を参照しましょう。

使い慣れている調理器具や装置でも、お料理代行サービスの仕事では慎重かつ丁寧に取り扱って作業していきましょう。

次回のコラムもお楽しみに…♪