パソナライフケア 研修コラムvol.28

「漂白剤の特性を理解した清掃法」

執筆者:日本清掃収納協会会長 大津たまみ
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今回は、漂白剤の特性を理解した清掃法についてお話します。

家事代行のプロとして、漂白剤について正しい知識を持つことが不可欠です。

漂白剤は効果的な洗剤ですが、誤った使用方法で素材を傷つけたり、脱色させたりする恐れがあります。正しい知識を身に付け、注意事項を確実に守っていきましょう。

漂白剤は、酸素系、塩素系、還元系の3種類に区分され、掃除に使用するのは、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤です。

塩素系漂白剤

主成分は次亜塩素酸ナトリウムで、液性はアルカリ性~強アルカリ性です。

容器に「まぜるな危険」の文字が記載されているのは塩素系漂白剤です。

一般的には液体タイプが使われ、特有のツンとしたニオイがあります。

 

家事代行の現場で使用する場合、特に注意が必要なのがこの塩素系漂白剤です。

次のような素材には使用できませんので、お客様宅の物を傷つけないために必ず覚えておきましょう。

[使用できない素材]

金属素材の物

ザルやフライパン等の調理器具、ステンレスのシンク、鉄、アルミ、ホーロー等の素材は錆びるので使用できません。

そのため、塩素系漂白剤を入れてつけ置きする際は、金属製の桶やボウルではなく、プラスチック製の容器に入れて短時間でつけ置きしましょう。

色柄のある布巾や衣類

色がついている布に塩素系漂白剤が付着すると、白く脱色してしまいます。

スポンジも色が付いている場合は脱色する可能性が高いため、使用を避けましょう。

お客様やご自身の健康のために注意すること

■塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると有毒なガスが発生しますので、絶対に混ぜないようにしましょう。クエン酸や酢も酸性になるので混ぜてはいけません。また、直接混ぜなくても、時間を置かずにこれらの洗剤をキッチンや浴室などで使用すると、排水口の水たまりで混合してしまい危険です。両方の洗剤を使用したい場合は、時間を空けて別の日に使うようにしましょう。

■作業中は十分な換気を心掛けましょう。臭いがこもらないようにするためにも、できるだけ長時間換気を続けることが大切です。

 

特に家事代行現場で使用する場合は、次の点に注意しましょう。

家事代行現場で塩素系漂白剤を使用する際の注意点

・ご家族の中で塩素系漂白剤を使用することでアレルギーを引きおこす方がいないかを確認してください。またご自身もアレルギーがないかどうかも確認しておきましょう。

・近くに小さなお子様やペットがいないことを確認してから使用しましょう。

・使用後は、洗剤を十分にすすぎましょう。すすぎが不十分だと、素材を傷める恐れがあります。

・絶対に目線より上の位置に向けてスプレーしないでください。洗剤が降りかかって身体に付着したり、吸い込んだりしてしまいます。目線より上の場所を掃除するときは、直接スプレーせず、スポンジなどに洗剤を付けてから塗布する方法を選びましょう。

 

・使用後にスプレー式ボトルの場合は「止」になっていることを確認し、キャップ式の場合はしっかりと蓋を閉めてください。

酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は主成分に過炭酸ナトリウムを含み、粉末と液体の2種類があります。

特に漂白力が高く、強力な除菌効果を持つ粉末タイプが掃除に広く利用されます。

また、弱アルカリ性のため、酸性の汚れを落とすのにも有効です。

 

通常、お湯に溶かして使用し、つけ置きすることで効果的に汚れを落とせます。

例えば、換気扇のファンや手垢のような油汚れにも酸素系漂白剤のつけ置きが効果的です。漂白作用は緩やかで、塩素系漂白剤と比べると安全に使用しやすい漂白剤です。

漂白剤は非常に便利ですが、その強力な性質から、適切な使用と十分な注意が必要です。

漂白剤を安全に使用し、家事代行の現場でのリスクを最小限に抑えましょう。

次回のコラムもお楽しみに・・・!!