今回は、クエン酸の特性と使用法についてお伝えします。
前回のコラムで取り上げた重曹とセスキ炭酸ソーダに続き、水垢やカルキ汚れに効果的なクエン酸についてお伝えします。
クエン酸は手肌に優しいナチュラル洗剤ですが、他の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する危険性があります。
特性や使い方をしっかり理解して、安全にお客様の家をキレイにしていきましょう。
クエン酸は弱酸性で、アルカリ性の汚れ(水垢・石鹸かす・尿石)やアンモニア臭に対して効果的です。しかし、油汚れや皮脂汚れなどの酸性の汚れや、黒カビには効果を発揮しません。
クエン酸は、一部の素材には使えないため注意が必要です。
弱アルカリ性の重曹は、一部の素材には使えないため注意が必要です。
クエン酸を使用してはいけない素材
・大理石は変色の原因となる可能性があります。
・アルミなど錆びやすい金属はサビの原因になります。
・シンク
・蛇口の水垢
クエン酸スプレーを汚れに吹きかけ、キッチンペーパーで湿布し、1時間程放置すると汚れが落ちやすくなります。
[ホットクエン酸スプレーの作り方]
42℃程度のお湯100mlに小さじ1/2のクエン酸を溶かし、スプレーボトルに入れて使用してください。(希釈方法はパッケージの説明も確認しましょう)
・食洗機の庫内洗浄
食洗機用洗剤を入れる場所にクエン酸を大さじ3杯入れ、通常の食器洗浄手順で洗浄してください。
※食洗機のメーカーや機種によって、クエン酸が使えない食洗機もあるため、使用する前に取扱説明書を確認しましょう。
・電気ポットの水垢
2リットルタイプの電気ポットであれば、クエン酸大さじ2杯を入れて沸騰させます。
その後1~2時間程度放置し、水を流しながら排水し、しっかりゆすいでください。
・鏡
水垢や曇りがある場合は、クエン酸スプレーを吹き付けてキッチンペーパーで湿布し、
1~2時間程度放置してから、ペーパーを剥がし、スポンジでこすります。
一度の作業では十分にキレイにならない場合がありますので、何度か同じ手順を繰り返しましょう。
・壁、床、浴槽、小物
石鹸カスが付着ている場所にクエン酸スプレーを吹き付けて、ブラシやスポンジでこすりましょう。
・シャワーヘッド
白くて固い汚れ(水に含まれるカルキが固まってできたもの)が付いていたら、つけ置きしましょう。
洗面器に1リットルのお湯を入れ、クエン酸大さじ1を入れて溶かします。
その中にシャワーヘッドを入れて1時間程つけ置きしたら、ブラシで汚れをこすり取りましょう。
・便器の尿石
クエン酸ペーストを使用するとキレイに落とせます。尿石が気になる箇所にクエン酸ペーストを塗り、ブラシでこすりながら落としましょう。
[クエン酸ペーストの作り方]
クエン酸と水を1:1の割合で混ぜてペーストを作ります。
・水垢
便器内の水溜まりに輪のように付着した水垢も、クエン酸で除去できます。
便器にクエン酸スプレーを吹き付け、トイレブラシでこすると汚れが落ちます。
・壁、床
トイレの壁や床にも尿が飛び散り、アンモニア臭が発生することがあります。
クエン酸スプレーを使って拭き掃除すると、汚れと臭いを同時に解消できます。
ただし、壁紙の素材によっては洗剤を使えない壁紙もありますので、事前にお客様に確認しておきましょう。(使用NG例:珪藻土・布製のクロス)
また、目地が細かいタイルも目地に染み込む可能性がありますので気を付けましょう。
クエン酸と塩素系漂白剤を混ぜることは絶対に避けましょう。
塩素系漂白剤とクエン酸を混合すると有害なガスが発生する恐れがあります。