今回は、「身体のセルフケア法」についてお話しします。
家事代行の現場は、作業内容によって身体に負担がかかる場合もありますが、日々のセルフケアや予防法を取り入れることで、健康的に、そして快適にお仕事を続けることができます。ここでは、腰痛対策やばね指の予防法を中心にお伝えします。
【作業時の正しい姿勢】
■拭き作業をするとき
窓や壁を拭く際は、掃除箇所の正面に立って安定した姿勢で作業しましょう。作業箇所から離れた場所に立つと、手を無理に伸ばしたり、体をひねった姿勢で拭くことになるので、腰に大きな負担がかかってしまいます。
低い場所を拭くときは、腰を折るように曲げるのではなく、膝を曲げ、腰を落とした姿勢をとりましょう。また、低い位置を拭く際には、クロスを持った手をそのまま下ろすのではなく、逆手にして指先が下を向くようにすると、手首への負担を軽減できます。
■掃除機をかけるとき
掃除機を前後に動かす際は、腰だけでなく体全体を使って動かしましょう。足を前後に軽く開き、膝を少し曲げることで腰の負担を軽減できます。掃除機のハンドルは自分の腰あたりの位置にくるようにして動かすと、さらに楽になります。
■床掃除するとき
床を手拭きする際は、片膝を床につけると腰への負担を減らせます。
モップをかける際は、柄の長いモップを使うと腰に負担がかかる中腰の姿勢を避けられます。
■高い場所の作業
無理に背伸びせず、柄の長いモップを使いましょう。安定した姿勢で作業を行うことで、安全性も確保できます。
■重い物を持ち上げるとき
物を持つ際は、自分の体を物に近づけ、膝を曲げて腰を落とします。
腹筋に力入れて荷物を抱え込み、膝を伸ばして持ち上げます。
急な動きは腰に負担をかけるので、ゆっくりとした動作を心がけましょう。
【ストレッチ法】
適切なストレッチを取り入れることで、腰の緊張を和らげ、負担を軽減できます。
作業前後に以下のストレッチを実践してみましょう。
作業前
・体側伸ばし
立った状態で片手を頭上に伸ばし、反対側に体を倒します。左右各15秒キープします。
体の側面をしっかりと伸ばすことで、作業時の腰の動きがスムーズになります。
作業後の自宅ストレッチ
・猫背伸ばし
四つん這いになり、背中を丸めた後、反らす動きを各10秒間行います。これを5回繰り返します。背中や腰回りの緊張が解け、リラックス効果があります。
・腰ひねり
仰向けになり膝を立てた状態で左右に腰を倒します。各側20秒間キープします。腰や背骨の柔軟性を高めることができます。
ばね指とは、指を動かす腱に炎症が起き、指がスムーズに動かなくなる症状です。手や指を頻繁に使う作業(掃除、料理、パソコン作業など)で腱に負担がかかることが主な原因です。指を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかりや痛みを感じることが特徴で、悪化すると指が固定されてしまう場合もあります。
予防するためには、手首や指に負担をかけない作業を心がけることが大切です。
【負担を減らす工夫】
・道具を使用する際は、手首をまっすぐに保ち、極端に曲げたり力を入れすぎないようにします。
・長時間続けて作業する場合は、時折休憩を取り入れ、手をリラックスさせましょう。
・汚れを落とす際は、力を入れるのではなく、「洗剤の濃度」「時間」「物理力」「温度」の4要素のなかの「時間」と「温度」をうまく活用しましょう。
【指のストレッチ方法】
定期的なストレッチで、手首や指を柔軟に保ちましょう。
グーパー体操
指を大きく開き、3秒間キープした後、ぎゅっと握る動きを10回繰り返します。手指や手首の柔軟性を高め、血行を促進する効果があります。
腱鞘ストレッチ
片方の腕を前に伸ばし、手のひらを上に向けて、もう片方の手で指を体の方向に軽く引っ張って15秒間キープします。左右各3回繰り返しましょう。指の柔軟性向上や血行促進、手指の疲労回復に効果的です。
指反らし体操
痛みがない範囲で、指を反対方向にゆっくりと反らします。1日3回行うことで手指の柔軟性を高めます。
家事代行のお仕事は、お客様の生活を支えるやりがいのある仕事です。この仕事を続けるためには、健康でいることが何よりも大切です。以下のポイントを意識して、身体のケアを習慣化しましょう。
作業前後のストレッチを実践
作業の合間にストレッチを取り入れ、体の緊張をほぐしましょう。
適度な休憩を取る
長時間の作業では、一定の間隔で体を休め、疲労を溜めないように心がけましょう。
違和感や痛みには早めの対応を
体に痛みや違和感を感じた場合は無理をせず、早めに対処することで悪化を防ぎます。