パソナライフケア 研修コラムvol.40

「チームで作業する際の心構え」

執筆者:日本清掃収納協会会長 大津たまみ
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今回は、家事代行の現場でチーム作業を行う際の心構えについてお伝えします。

家事代行の仕事では、お客様の大切な空間を整えるために、強い責任感を持つことが求められます。さらに、チームで作業する際は、各メンバーがそれぞれの役割をしっかり理解し、互いに協力しながら進めることが不可欠です。

1. ほうれんそう(報告・連絡・相談)の徹底

チームでの家事代行作業の際に最も重要なのは、報告・連絡・相談、いわゆる「ほうれんそう」の徹底です。この「ほうれんそう」が適切に行われているかどうかが、作業のスムーズさや問題解決のスピードに直結します。それぞれの項目のポイントを詳しく見ていきましょう。

 

報告

作業の進捗状況や、問題が発生した場合は、速やかにチーム全体に報告しましょう。

例えば、お客様宅で予期せぬ事態が発生して作業に遅れが生じた場合は、他のメンバーが迅速に対応できるよう、現場の状況を正確に伝える必要があります。報告が遅れたり不十分だったりすると、チーム全体の作業が滞り、お客様の満足度低下に繋がる可能性があります。

 

連絡

チーム全員が同じ情報を共有するため、連絡は欠かせません。特に、お客様から追加の依頼があったり、作業内容の変更が必要になったりした場合は、即座にチーム内でその情報を共有しましょう。連絡が迅速であれば、各メンバーがすぐに対応し、作業の流れを止めることなく進行できます。また、作業前後の連絡も徹底することで、次回の作業準備がスムーズに進むだけでなく、チーム全体の効率向上にもつながります。

 

相談

疑問や不明点が生じた際には、迷わず相談しましょう。チームメンバー全員が同じレベルの経験を持っているわけではないため、対処に迷う場面もあるでしょう。その際は、会社や他のメンバーに相談することで最適な解決策を見つけることができます。相談をためらわずに行うことで、チーム全員が安心して作業を進めることができます。

2. チームの目的を明確にする

チームで作業を進める際に重要なことは、全員が共通の目的を持つことです。家事代行の現場では、お客様の期待や要望をチーム全員がしっかり理解し、それに基づいて作業を行うことが必要です。

 

例えば、お客様から「床を念入りに掃除してほしい」というリクエストがあった場合、チーム全体でそのリクエストを認識し、優先順位をつけて作業を進めることが大切です。また、お客様が望む具体的な仕上がりや、掃除に使う道具についての希望もきちんと共有しましょう。

 

目的が明確であれば、全員が同じ方向を向いて効率的に動くことができ、作業の一貫性が保たれます。逆に、目的が不明確なまま進めてしまうと、作業結果にバラつきが生じ、お客様にご満足いただけない可能性が高まります。そのため、チーム作業の最初のステップとして、お客様の要望を全員で共有し、共通の目的を持つことが不可欠です。

3. 作業範囲をチームで明確にする

次に重要なのは、各メンバーの作業範囲を明確にすることです。役割分担が曖昧だと、作業の重複や、逆に手つかずの場所が発生するリスクがあります。

 

例えば、リビングやキッチンを担当するメンバー、浴室や窓拭き、床掃除を担当するメンバーというように、「誰がどの場所をどの順番で掃除するか」を事前に決めておくと、無駄な時間や労力を防げます。さらに、各メンバーが自分の担当範囲に責任を持つことで、作業の質が向上し、より効率的になります。

 

複数人で同じ現場に入る場合や、メンバーが曜日ごとに変わる場合でも、あらかじめ作業範囲をはっきりと決めておけば、スムーズかつ無駄のない作業が可能となります。また、予期せぬ状況が発生した際にも、担当範囲が明確になっていれば、臨機応変な対応がしやすくなります。

4. グループ内でのコミュニケーションの取り方

チームで効率よく作業を進めるためには、メンバー間のコミュニケーションが欠かせません。作業をスムーズに進めるためには、お互いの意見や状況を随時共有し、進捗状況を確認し合うことが重要です。

 

作業前や作業後にその日の作業内容や進行状況を共有することで、全員が同じ認識を持って仕事に取り組めるようになります。また、各メンバーが自分の役割を理解しやすくなり、意見交換をしやすい雰囲気が生まれます。

 

作業中も、気づいたことやの問題点があれば、その場で声を掛け合い、即座に対応することが望ましいです。チーム全体で良好なコミュニケーションを保つことで、ミスを防ぎ、スムーズに仕事を進められるだけでなく、結果的にお客様に提供するサービスの質も向上します。

5. 会社に伝えることの重要性

現場での作業内容やお客様からのフィードバックを会社に適切に伝えることは、チーム作業をさらに向上させるために欠かせません。特に、現場での気づきや改善点、発生したトラブルの対応策などを報告すると、会社は次のステップを講じることができ、結果として全体的なサービス向上に繋がります。

 

また、お客様からの感謝や要望を会社に伝えることは、次回のサービス向上やメンバーのモチベーションアップに繋がります。会社が現場の状況を正確に把握することで、チームに適切なサポートを提供できるため、作業の効率や質をさらに高められます。

これらの心構えをしっかりと実践すると、チーム全体が効率よく作業を進めることができ、お客様にご満足いただけるサービスを提供することができます。

常に、チームで作業をしていることを意識し、メンバー全員でお客様にご満足いただける作業を心がけていきましょう。

次回のコラムもお楽しみに・・・!!