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パソナライフケアの仕事と介護の両立支援ブログ

in Action

遠距離×老老介護を支えるケアプランの紹介

2018年5月30日

みなさん、こんにちは。
仕事と介護の両立支援の専門家継枝です。

緑が美しく清々しい季節となりましたね。
みなさんはいかがお過ごしですか。

本日は事例紹介のリクエストが多数あり、厚生労働省の「仕事と介護の両立のポイント」概要版から
「遠方に住む老老介護の両親の在宅生活を支える」事例をご紹介いたします。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/29_gaiyoban_all.pdf
※この資料はとても良く出来ているので、今後の仕事と介護の両立の参考になさってください。

資料p10参照

 

<課題>
脳梗塞の後遺症で半身麻痺の父を高齢の母が介護しています。
父は通所系のサービスを利用したがりません。
父につきっきりの母への負担が大きく心配ですが、自分は遠方にいるため、頻繁に帰ることができません。

 

<解決方法>
訪問系の介護サービスを毎日利用し、母の負担を軽減。
誰かの目が入ることで、母の見守りにも。
月1回、介護休暇や積立休暇制度を活用して帰省。
帰省した際には、近所の人に声をかけて見守りのお願い。

 

<職場の両立支援に関する制度>
①介護休暇(介護休暇で不足する分は失効年次有給休暇の積立による休暇を利用)
②失効年次有給休暇の積立による休暇制度
→実家に月1回帰省し、近所の人に挨拶回りや支援のお願いをする。
→実家に月1回帰省し、担当ケアマネジャー(月1回以上訪問義務あり)の面談に同席するなど。

 

<介護に関するサービス>
①訪問介護→週5日(着替え・排泄・入浴・食事介助等)
②訪問看護→週2回(病状観察・水分・栄養管理・医療的ケア等)
③訪問リハビリテーション(日常生活動作の訓練)
④近所の人の見守り(自分が不在のときに、見守りを依頼)

 

<両立支援制度と介護保険制度等の組み合わせポイント例>
・母の介護負担も考え、通所介護を利用してほしいが、本人が嫌がるため、訪問系サービスを毎日利用することで、母の介護負担を軽減。
・高齢の父母のみで暮らしているため、毎日誰かの目が入るように。帰省した際には、近所の人に声をかけ、心配なことがあったら、連絡してもうらよう依頼。
・月1回、介護休暇や失効年次有給休暇の積立休暇制度を活用して帰省。

 

【継枝からのコメント】
この事例で良いところは、介護サービス以外に近所の人にも協力者になっていただいているところです。

ご家族を大切にしながら、仕事と介護の両立を効率よく果たすためには・・・
介護に直面した時点で、今までと同じリズムでは生活できないことを覚悟しつつ、
できる限り介護者側のリズムを崩さないように要介護者の周囲に協力者をたくさん集めることが重要です。

今回の事例はその良い事例と思います。
近所の人に挨拶回りや支援を依頼することは、気が引けたり休暇など自分の貴重な時間を使わなければならなので苦労もありますが、
介護の初動に、皆さんがどれだけ向き合えたかによって、長い介護生活の方向性が変わります。
(介護は平均4年~5年、長くて10年以上)

「向き合えた」というのは自ら介護するためではなく「仕事と介護の両立するための準備」ができたかということです。
最初が肝心、物事をスタートするには最初は何でも労力を使いますが、共倒れのリスクを回避できるなら「今」を大切にして出来事としっかり向き合いましょう!

皆様と皆様のご家族の健康と幸せを心よりお祈り申し上げます。

継枝綾子