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パソナライフケアの仕事と介護の両立支援ブログ

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「老老介護・両親の現在地」

2017年8月18日

こんにちは。ケアボスです。
今回のケアボスVoiceは、毎年恒例の高校野球甲子園大会観戦時に1週間ほど滞在する実家での出来事がテーマです。


(開会式。台風で1日順延になりました。今年の大会は晴れ間が少なく全体的に涼しい大会となりました)

 

高齢者にとって危険ポイントの多い実家

今年は8月7日(月)の開会式が台風5号の影響で順延になったため、その日に両親とゆっくり話をすることができました。
父87歳(要介護2)・母84歳。昨年この時期に書いたブログではリハビリ用のペダルを踏み、足を鍛える父の様子をお伝えしました。
今も毎日運動はしているのですが、明らかに昨年と比較して両親ともに老化が進んでいます
父が座る椅子から5m以内にトイレがありますが、そこまで3度ほど休み5分ほどかけて行ってます。今にも倒れそうになりながら。
実家は古い一軒家ですので、段差も多く家中危険ポイントだらけ。手すり等最低限の介護仕様にはしていますがいつ転倒等の事故が起こっても不思議ではありません。

 

いつまでも続けたい在宅生活

今年のゴールデンウィークに有料老人ホームへの入所を一度は決めた父もいったん入所は白紙に戻り、現在も高齢夫婦の老老介護が続いています。
客観的に見てこのままの生活は危険すぎると思い、今一度施設への入所か、仮にふたりで暮らすにしても高齢者向けの住宅に移るなど安全を優先した方がよいのでは?と提案してみました。その返事は「それでもいいよ」でした。つまり本心から出た言葉ではなく、聞かれたので一応の返事はしておこうってことだと感じました。

滞在期間中、繰り返しその話をしてみました。幸いにもふたりとも頭はクリアで物忘れもありません。
しかし知らぬ間に認知症が進行し火を使い誤り出火させてしまうようなことがあれば家族だけの問題ではなくなってきます。
ふたりは早生まれなので年が明けるとすぐに88歳と85歳になります。想像するだけでもその暮らしは「違うのでは?」と私は思ってしまいます。
何事もいつかは終わりが来る。このふたりの生活もいつかは終わりが来る。そのことも本人たちはわかっているものの自ら終わりにしてしまうことがどうしても出来ないのだと感じました。
滞在中、私なりにどういう提案にすれば良いかいろいろと考え、そしてその結論を最後の夜に話してみました。

 

両親におこなった提案

その結論は「いつまでとか期限を区切ることなく続けられる限り永遠に今の生活を続けてみようか!それがふたりにはいいと思った。そしてどうしても継続が困難になった時は遠慮なく言ってくれたらいいよ!」というものです。
それを話すと、両親は心から安心した様子で「ありがとう」と少し笑顔も漏れました。
両親も自分たちの生活を客観的に観察し、それがいかに危険な生活なのかはわかっていると思います。それだけに施設入所等を早く決心しなければと自らにプレッシャーを与えていたのかも知れません。

昨年から私は両親と何度も話し合いの機会を持ってきました。そのうえで出した結論なので私に後悔はありません。
転倒し入院してしまうかも知れません。打ち所が悪ければ最悪の事態に発展するかも知れません。しかし今は、そうならないことを念じつつふたりで暮らす両親を遠方から見守るしかありません。
時々は帰省して、そして頻繁に電話をして心身に変化がないかは常に確認していこうと思います。

 

「来年も甲子園観戦は実家から」の願い

「来年また夏の甲子園にはこの実家から向かうわ」と両親に言うと、母親が「いやや。あんたが来たら世話もせんとあかんしお母さんしんどいわ」そんな会話を笑いながらして実家をあとにしました。

 

(今年の母の手作り弁当。美味かった!!)


(弁当と甲子園)