参考資料「仕事と介護の両立」の課題 〜その背景〜

政府の方針

2015年9月24日 安倍首相はアベノミクス第2ステージ「新第3本の矢」の中で、「仕事と介護の両立」の課題に触れ、家族らの介護を理由に離職せざるを得ないいわゆる「介護離職」をゼロにしたいとの目標を示しました。
同19日にも「働き盛りのご夫婦が介護のために離職をしなければならないことがおこっている。具体的な目標として考えるひとつは ”介護離職をゼロ” にしていく」と述べ、仕事と介護を両立できる社会の実現に取り組む考えを示しています。
従来より厚生労働省では家族の介護を抱えている労働者が仕事と介護の両立できる社会の実現を目指して、その両立のための法や制度の周知、企業の両立支援策の状況把握や情報の提供などの対策を総合的に推進しています。 2014年には仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進に取り組むことを示すシンボルマーク「トモニン」を作成し、介護離職を防止するための取組に向けた社会的気運の醸成を図っています。
仕事と介護の両立に悩み、経験豊かな従業員や中核人材等が離職することによって被る企業の大きな損失は、ひいては日本社会全体の発展にも影響を及ぼし兼ねません。 政府のこうした方針や施策によって、仕事と介護の両立支援に関する取組みが一気に加速するものと予測しています。

人口構成の変化

2025年には、第一次ベビーブームが起きた時期(昭和22~24年)に生まれたいわゆる団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となり、高齢化率の上昇とともに介護・医療の社会保障費の急増が懸念されています。いわゆる2025年問題です。

【グラフ】
2025年には75歳以上の後期高齢者の全人口に占める割合が18.1%になると推計、
おおよそ3人に1人は65歳以上の高齢者になると推計されている。

やがて来るその問題に対し政府は「社会保障と税の一体改革」の中で、重度な要介護状態になっても高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・生活支援等が一体的に提供される仕組み「地域包括ケアシステム」を打ち出し、「施設」から「在宅」への今後の流れが明らかになりました。
また民間有識者でつくる「日本創生会議」は2015年6月4日、東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県で2025年には介護施設が約13万人分不足するとの推計をまとめており、施設に入りたくても入ることが出来ない、そんな未来像が目に浮かびます。
介護離職は在宅介護に関わっている時に起きることが多く、それに直面する従業員が増えてしまう前の今の段階から、仕事と介護の両立支援策を講じておく必要があるといえるでしょう。

厚生労働省「地域包括ケアシステムの姿」はコチラ(PDF)
厚生労働省「在宅医療・介護の推進について」はコチラ(PDF)

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